偽りマーメイド

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こういう時、クラスが違うっていう事が初めて「良かった」と思える。 和翔を見るのはやっぱり辛すぎる。 最近、廊下や外で彼女と手を繋いでるのを見掛けてしまうけれど、目を反らしてしまう。 『あ~俺もC組が良かったぁー!!海姫ちゃんと同じ班が良かったぁ~』 声がする方を振り向くと飯塚くんが私の席の方へ近付いてきた。 『あ、飯塚だ。うるさいなぁ』 菜香が目を細めて『来んなよ』と言い、嫌な顔をした。 「どうしたの?」 『何もないけど、海姫ちゃんに会いにきた~』 「ちょっと、いい?」 私は、そう言うと席を立ち飯塚くんと廊下に行った。 『どうしたの?海姫ちゃん』 「自由行動の時さ…一緒に泳ご?」 『え、いいの?』 「うん。その方が楽しいし…」 『ありがとう』 友達だから…それ以上の感情は何もないから、だから気楽に誘える。 それに、最近和翔の事は忘れられそうになっている。 まだ完全に…じゃないけど、飯塚くんのおかげなのかな。 "考えない"時間が増えた気がする。
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