偽りマーメイド

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そして、研修旅行の日が来た。 バスの中は、お菓子を食べる音や話し声。ゲームの音がする。 『楽しみだね~泳ぐの。海姫は泳げるからいいなぁ~』 「小さい時は泳いでたけど、今はどうだろう…」 日程は、1日目『陶芸製作』。2日目の午前中『講演会(世の中の現状について)』。午後~夕方『自由行動(海水浴)』。3日目の朝~帰宅…となっている、 1日目の陶芸(ペン立てを作った)や、2日目の講演会(ただ聞いてるだけだったが、後日レポートを出すのが面倒くさい)が終わり、いよいよ海水浴となった。 『えー、皆さん、くれぐれも怪我のないようにー』 全員水着を着ているのかと思いきや、普段着や浴衣を着ている人もいる。 『そりゃあ、着てない人も居るでしょう。海に入れない人や水着になりたくない人だっているわけだし』 菜香がシュシュで髪を結びながら言った。 『おーい、海姫ちゃーん』 飯塚くんが私達の方へ向かって走ってきた。 『あー嫌だぁ。てかさー、一緒に泳ぐ友達とかいないわけ?』 『えーだって、海姫ちゃんからのお誘いがあったわけだしー』 それから、飯塚くんを砂に埋めたり、菜香と2人で飯塚くんを海に投げたり(?)3人でとにかく遊びまくった。 『あ、私トイレに行ってくるー』 『あ、俺もそろそろ友達の所戻るわ。じゃあね、海姫ちゃん、またね』 「うん、またねー」 私は、持ってきたビニールシートの上に体育座りで座った。 夕方に近付いてきているので、人も少しずつ居なくなってきた。 菜香が戻ってきたら、一緒にホテルに戻ろう…。
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