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話は数日前に遡る。
「むむーっ」
『ど、どうしたの?海姫っ。そんな口尖らせてー』
放課後。
クラスのほとんどが帰ってく中、私は頬杖をつき怒っていた。
「だって、和翔が最近冷たいんだもん」
『あぁ、本田くん?だって付き合ってるわけじゃないんでしょ?一緒に帰れない時だってあるじゃない』
まぁ、まぁ…と友達の菜香(なのか)は慰めてくれているけれど、それでも私の気は済まない。
「うわーん…和翔に会いたいよー」
避けられてるのは何となく気付いてた。
メールでも『帰れない』って言われているし、廊下でも会わない。
登下校も一緒にいたのに。
『海姫と本田くんの関係って変だよねー。二人両想いって感じなのに付き合わないなんてさ』
『あははは』と笑うから「うるさーい!!幼なじみの壁が崩せないんだぁ」…と私は叫んだ。
『ねぇ、あれ』
菜香が窓の外を見ながら一点を見つめている。
「なぁに~?」
『あれ…本田くんと…誰だろ?』
「んー?どうしたの?」
私も菜香の隣に行き下を見た。
……あ…れ?
何で?何で和翔が女の子と手繋いでるの?
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