偽りマーメイド

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『えーうっそぉおー!!』 廊下で女の子達が騒いでる声がした。 でも、今はそんな事、どうでも…。 『本田くんに彼女が出来たぁあああ!?』 いや、どうでもよくないわ!! 廊下の女の子達の話の方が気になる!! 彼女…?彼女って…? 『私見ちゃったのさー、本田くんが告白してるところ』 こ…告白!? 『A組の佐久間柚那(ゆずな)っているじゃん。柚那ちゃんに『好きだ』って本田くんが~』 『えー私、本田くんの事気になってたのにー』 『あれ?でもさー本田くんて中西海姫と』 その時、廊下を歩いてきた女の子と目が合った。 その女の子達は気まずそうに走っていった。 『海姫…』 私は、菜香に差し出されたティッシュを受け取って涙を拭いた。 「うぅ…」 和翔に彼女?何で?何で?何で? いつから? いつから和翔はその女の子が好きだったの? その日の夜、和翔からメールが来た。 --彼女ができた。急にごめんな。前からその子の事気になってて…。これからは、一緒に帰れない。海姫も早く彼氏つくれよー。-- なんて一方的なメールなんだろう。 私の気も知らないで。 これが数日前の話。 未練たらしいかもしれないけど、私は今でも和翔の事が忘れられない。
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