第4章

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王城・謁見の間にて。 コルト「やぁ。よく来たね。2人とも。」 和斗「こんにちは。王様。」 蓮「それで?もう始めるのか?」 コルト「うん。他の帝達も呼んでるし。早速移動しようか。」 蓮「わかった。」 和斗「本当に王様前だと順々だね。」 蓮「当たり前だろ。とにかくついて行くぞ。」 軽口を叩き合いつつもしっかりとコルトについて行く2人は、とある開けた場所に来た。 そこは普段は王国の騎士達が訓練等している所だったらしいが今は閑散としており 代わりに帝達が佇んでいた。 コルト「皆お待たせ。」 帝達「はっ。」 コルト「とりあえずまずは蓮くんの闇帝からなんだけど…異論ある?」 雷帝「俺は納得行かねぇな。」 コルト「君は先代と仲が良かったからね。仕方ないさ。」 蓮「どうすればいい?」 雷帝「闇帝は闇属性を司り最も得意とする技。故に情報収集や背後からの音もなく暗殺。最低限これが出来ねぇと認めらんねぇ。」 蓮「こういうことか?」 雷帝「な!?」 雷帝の言葉が終わると同時に誰として気付けなかったのかいつの間にか雷帝の背後に周り、首筋にピタッと指を付ける。 雷帝は油断こそしていたもののまさか自分より年下の学生相手に背後取られるとは思っていなかった。 光帝「雷帝は全帝に次ぐ実力者。それ軽々と背後を取るなんて…どうやったの?」 蓮「簡単さ。相手の呼吸に合わせて動いただけだ。」 光帝「呼吸?」 蓮「ああ。人間は呼吸をする時、吸って吐くだろ? 息を吸う時は意識が高まるが吐く時はどうしても油断する時がある、その瞬間を狙って転移を使って背後を取ったって事だ。」 息を吸って止めると力が入りやすいのと同じで 息を吸う時は緊張が高まり吐く時は緊張が緩む原理を利用し一瞬の隙を付いて背後を取ったらしい。 とは言えど相手は帝。それも実力的にトップクラス。 そもそもその技術すらかなり高難易度な筈だが蓮はそれを易々とこなして見せた事になる。 蓮「まぁ、改めてやってみろと言われると難しいかも知れないがな。」 出来ない。とは言わず難しいと言う。 暗にこれはお前よりは強いと言われてるの同義で それを悟った雷帝は怒るどころか ため息を付きお手上げのポーズをとった。 雷帝「なるほどな。俺は認めよう。お前が闇帝になる事を。」 炎帝「雷帝が認めるなら俺達も異論はないぜ。」 土帝「そうだね。私も異論はないよ。」 と、他の帝達も納得していく中、カイルが次の言葉を口にすると緊張感が走る。
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