お楽しみは後から

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 どれくらいの時間が経っただろう。でも、とても心地好くて、頭も体も軽かった。鈍い体を脱ぎ捨てたみたいだ。  倒れたまま眠ってしまったらしい。そのお陰か、気分もスッキリとしている。 「……、………」  誰かの声がする。起きないと。きっと部長か専務だ。居眠りなんてバレたら、またペナルティになる。今日だって、お手洗いから戻るのが1分遅れた所為で、5時間の残業になってしまった。次は何を言われるか知れない。  早く、早く起きないと。 「…し…、…も……」  体を起こそうともがくうちに、声が段々と近づいてくる。まずい。こんなところを見られたら。 「…も……、…もしもぉーし!聞こえてまっかー!」  耳慣れない声に、這いつくばる姿勢のまま、恐る恐る顔を上げる。目に映る景色はとてもクリアで、 「おーおー、ようやっとやな。おはようさん!」 「…ーーっ!?」  あまりの恐怖と驚きに、声も出なかった。  鮮明な視界が真っ先に捉えたのは、骸骨に黒いマント姿のコスプレだった。
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