宇宙怪獣タコゴンの巻

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宇宙怪獣タコゴンの巻

 宇宙の片隅に平和な星が、ありました。  ある日、その星の近くで、小さなビッグバンが起こり、なんと時空が曲げられ、宇宙怪獣の通り道になってしまいました。  そして案の定、宇宙怪獣が、その星のおじいさんやおばあさんしかいない、過疎の村の裏山に降り立ちました。  その怪獣は、タコの形した怪獣で、『タコゴン』と呼ばれました。タコゴンは、八本の足で、山の木々をなぎ倒しまわり、とうとう、人が住んでる集落に進んで行こうとしました。  集落のおじいさんやおばあさんは、もうだめだと思いました。その時です。宇宙から一筋の光が、タコゴンに向かって、飛んできました。その光は、人の形になり、タコゴンにキックしました。何とウルトラの人でした。  タコゴンの進行を止めて、過疎の村の裏山で、戦いました。そして、ウルトラチョップで、タコゴンの足を一本づつ切断し、足の八本を全部切り落とすと、ウルトラの人は、本体を抱え込み、宇宙に飛んで行きました。  そして、時空の歪みの怪獣の通り道に投げ込むとビームを出して、大爆発を起こし、怪獣の通り道を消滅させてしまいました。  ウルトラの人は、その星に戻り、またウルトラチョップでタコゴンの足を小さく細かく刻み、おはあさんの村人達に渡し、宇宙へ去って行きました。  おばあさん達は、そのタコゴンの足を村の『秘伝のしょうゆ』で焼きました。とてもやわらかく歯の無いお年寄りでも食べられ、香ばしくてめちゃくちゃ美味しくて、村の名物にして売り出すことにしました。  秘伝のしょうゆの『タコゴン焼き』は、その村の名物になり、あちこちから、それ目当てに食べにくる人達で大繁盛しました。  そしてなんと、タコゴンの足の遺伝子から、普通サイズのタコのクローンを作り出すことに成功して、おじいさん達でも簡単に養殖出来ました。同じようにそれを食べたら、香ばしくめちゃくちゃ美味しくて、永遠に『タコゴン焼き』を作れるようになりました。  村の若者達も戻り、インターネットの通販を始めて、凄く売れました。もっと観光を盛り上げるためにと思いで、タコゴンテーマパークを作る計画があがり、たまたまタコゴンが裏山の木々をなぎ倒した場所に広い空き地が出来きているので、そこに作る事にしました。  そして、仕事する場所が増えて、出ていった村人が戻ってきたり、移住する人が増えたり、おじいさんとおばあさんしかいない過疎の村が、うそのように盛り上がり、有名観光地になりました。  そして、テーマパークの片隅には、ウルトラの人のエリアも出来て、ウルトラの人のお地蔵さんを建てたそうです。昔からこの地に住んでいる最年長のおばあさんが、お地蔵さんの前に訪ねた際に「良くわかってるウルトラの人、ありがとうございますだ」と言ったそうです。
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