2 俺の悩みと学園生活の始まり

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2ー4 王立学園へ入学することになりました。 俺は、薄暗い部屋の椅子に腰かけて何度目かの溜め息を漏らした。 「ほう、また、溜め息かな?レンタロウ」 グーリスじいちゃんがほっほっ、と笑った。 「まるで、恋する者のようじゃな」 「恋?」 俺は、慌てて否定した。 「んなわけねぇし!」 「それはそうと、レンタロウ」 グーリスじいちゃんが俺に言った。 「そろそろお主に王立学園に入学してもらおうかと思うのだが」 不意に言われて、俺は、驚いてお茶のカップを取り落としそうになっていた。 「王立学園?」 それは、午後のお茶をグーリスじいちゃんと飲んでいた時のことだった。 イーサンは、このときばかりは席を外していた。 グーリスじいちゃんは、俺に話した。 「お主は、将来、王妃となる身。国のことや、世界のことをいづれは学ばねばならん」 「嫌だ」 俺は、じいちゃんに応じた。 俺の返事をきいて俺に訊ねた。 「なぜだ?レンタロウ。なぜ、お主は、王妃となることを拒むのだ?」 「それは」 俺は、自分に問いかけた。 なぜ、俺は、王妃となることを拒んでいるのか? それは、俺が男だからだ。 俺には、どんな世界であれ男を受け入れることはできそうにない。 俺は、グーリスじいちゃんにそう答えた。 じいちゃんは、俺に優しく微笑んだ。 「だが、人は、変わるものだ。サブロウタも最初は、王を受け入れることを拒んでいたそうだ。だが、やがては、王を受け入れて私の祖先が生まれた」 「俺は、あんたの祖先とは違う!」 「まあ、何にせよ、レンタロウよ、お主には、この世界について学ぶことが必要だろう」 グーリスじいちゃんは、俺ににやりと笑いかけた。 「どんな未来を選ぼうとも、学ぶことは必要だからな。レンタロウよ、お主は、自分のためにも王立学園へいくがいい」 そうして、俺は、王立学園へ入学することになった。 とはいえ、神子に乳をやるという役目があることに変わりはない。 俺は、神殿から、王都にある学園へと通うこととなった。 もちろん、護衛のためにもイーサンは、同行するらしい。 だが、考えてみればこれは、悪い話ではなかった。 同じ年頃の連中と、この世界について学ぶことは、俺の力になることだろう。 違う未来を切り開くためにも、それは、必要なことかもしれない、と俺は、納得して学園への入学を決めたのだった。
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