【黄昏のハーメルン】

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声まで裏返ってて、鬼気迫るものがある。 僕はその日、ずっと笑っていた。 *** そうして、ついに、僕の誕生日がやってきた。 「いよいよだね、ほたるくん」 ハーメルンが言う。僕はドキドキするのを隠せずにいた。 コテージの中は、いつもと少しも変わらない。 もっと派手に『お誕生日おめでとう』って書かれた横断幕とかあるのかと思ったけど、そんなことはなかった。 僕は、正直、がっかりした。 ハーメルンは、そんな僕の心を読んだみたいに言った。 「ご馳走やプレゼントがなくて、がっかりした?」 「うん」 僕は正直に答えた。 正直でいなさい、と、いつもお母さんに言われていたからだ。 途端に、お母さんが恋しくなった。 「おか……ぁ……さん……」 僕は泣き出してしまった。 一度涙が出ると、もうとまらない。 だめだって思うのに、ハーメルンを困らせてしまうから泣き止まなきゃって思うのに、できない。 「ほたるくん」 ハーメルンは、そんな僕を叱るどころか、ぎゅうっと抱きしめてくれた。
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