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僕が一瞬警戒したときだ。ハーメルンは、
「夏休みの間、ほたる君は僕とふたりで生活するんだ。お母さんの頼みでね」
僕は、ますます怪しいと思った。それと同時に、もし本当だったら、お母さんが僕を厄介払いをしたかっただけだったのではないか、と思って悲しくなった。
と、ハーメルンがにやりと笑って言った。
「その代わり、お母さんから誕生日プレゼントを預かってるよ。楽しみにしてなよ」
ハーメルンは僕の誕生日を知っている!
やっぱりお母さんに頼まれたんだ!
そう思って胸を撫でおろすと同時に、お母さんに誕生日を祝ってもらえないのを寂しく思った。
「君は今、お母さんに誕生日を祝ってもらえないのを、寂しく思ったろう?」
「え!?どうしてわかったの!?」
「子供なんて皆同じさ。誕生日は、一等大好きなお母さんに祝ってもらいたいものなんだ」
「ハーメルンもそうだった?」
「ああ。俺もそうだった」
「そっか」
「その代わり、俺が目いっぱい祝ってあげるから、それで勘弁してくれよ。今までで一番楽しい誕生日にしよう」
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