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以上。
今回は雪ちゃんこと、涼石雪生が昔話をご披露いたしました。
ご清聴ありがとうございました。
人生チャレンジ、そして失敗の連続。
それで、十分。
なあ、「梅ちゃん」
あ、お迎えがきました。
「じっちゃん。帰ろう」
おっちゃんになった夏生が車椅子を押してくれます。
デイケアからの帰り道。
車の窓からは夕日が見えました。
だいぶ薄暗くなっていましたが、綺麗な夕日です。
この夕日は色あせないんですね。
一緒に見た思い出も。
ああーー、だからでしょうか。
黄昏時とはよう言ったもんです。
誰かがそこにいるような気がします。
そこにいるのは誰でしょう?
梅ちゃんと見た夕日、息子の桔平と見た夕日、夏生と見た夕日、芽生と見た夕日、もちろんお世話になっている、夏生と芽生のお母さん、弥生さんと見た夕日も。色あせない思い出が蘇ってきます。
そして、なんと今はひ孫もいます。
次のチャレンジは、ひ孫を迎えに学校まで行き、手をつないで見る夕日でしょうか……
雪ちゃん、もうすぐ100歳です。
なんでか、まだ、まだ元気です。
「梅ちゃん」そろそろ迎えにきてや。
忘れとんちゃうやろな?
と、ちょっと不安になる雪ちゃんでした。
Fin
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