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金曜の明日のスケジュールを確認して、すぐに人事部長に連絡をいれた。 「部長、すみません。急に申し訳ないんですけど、明日、有給休暇を取らせていただけませんでしょうか」 あの人の事だから、迎えに行ったらそれで良しではないだろう。 多分、一日つきあわされる。 「どうした、上原。急に、珍しい」 「あ、ハイ。本当に申し訳ないんですが、急な実家の用事で」 人事部チーフの俺が自ら馬鹿みたいな嘘をつくのは心苦しい。 「ああ、そう。ご家族の緊急事態ならしょうがないけど」 実家の家族はピンピンしている。 真面目な部長の返事が良心に刺さる。 「はい、今日、処理出来る分はなるべく済ませて、週明け、月曜に残りは対応しますので」 「まぁ、いいよ。上原、たまには有休消化した方がいいしね。他の部署には言ってるけど、人事部の僕達も見本にならないと、な」 「すみません。ありがとうございます」 頭を下げて、許可をもらう。 日々、有給休暇も使わず、風邪も引かず、真面目に働いている甲斐があった。 ーーー他言無用。 やばい橋を渡っている気がする。
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