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メエはバス停にて待ち合わせ、そうしてバスがやってくると、すかさず乗り込んで、最後尾の席に着いた。まもなくバスが動き出した。窓から景色を眺めて、これから自分が飛び出して行こうかという広い世界に胸を高鳴らせた。孤児院を出たとて、向かう当てはなかった。人形のミコと、なけなしの金銭だけを持ち合わせ、気の向くままに放浪するつもりであった。メエが景色に夢中になっている間にも、バスは幾度となく停車しては、その度に乗客が一人、また一人と降りていった。終点に近くなると、車内にはメエ一人が取り残された。その頃になると、メエは、運転手の背中を不安そうに見つめていた。やはり一人になってしまうと、心細さに挫けそうになる。ミコをしかと抱きしめ、一人じゃない、一人じゃない、そう繰り返し自分に言い聞かせた。
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