色恋

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□□□□□□□□□□  しばらくしてミカの部屋へ到着すると、涙でぐしゃぐしゃになった馬鹿が出迎えてくれた。 「ユキちゃん……」 「大丈夫?」 「うん……あの、ごめんね……」 「ん?」 「まずは中に入って……」 バツが悪そうにうつむくミカに首を傾げながら、言われるままに部屋にあがる。 「……?」 部屋の奥へ進むとかぎなれない匂いがする…… そして…… 「え……?」 部屋の奥には、首から包丁を生やしている彼が居た。 「ごめんねユキちゃん、彼と"お別れ"はしたけど、まだ"捨て"られてはいないの」 「あ……あ……?」 後ろからいつもの調子の口調のミカの声が聞こえる。 「あ、それとね……」 ゆっくり振り返ると、涙でべたべたの顔のミカが……笑顔で新しい包丁をこちらへ向けている。 「浮気相手、ユキちゃんだったんだね……?」 「あ……」 「そんな酷い事する奴は捨てなきゃいけないから、ユキちゃんも彼と同じように"お別れ"して"捨てる"ね?」 そこに居たのは馬鹿ではなく、歪な笑みを浮かべる狂人だった…… 色恋と裏切りが、馬鹿を狂わせたのか……                  色恋 END
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