タイムカプセル

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「君の身体」 私がビニールシートをほどき、少年に……いや、彼に見せたのは子供の人骨。 それを抱きしめながら彼に微笑んで見せる。 「ねぇ、私に恨み言を言いに来たの?それとも懐かしくて会いたくなっちゃった?うふふ……どっちでも嬉しいわ……」 「う……あ……何で、何で僕を……」 後ずさる彼の頭から麦わら帽子が落ち、私があの日シャベルで殴打して凹んだ頭部が露わになる。 そう、彼は私が殺して埋めた初恋の人。 唯一私を気にかけてくれた男の子。 誰にも渡したくなかった、私から離れてほしくなかった。 「決まってるじゃない。あなたが宝物だったからよ」 日が沈み、鈴虫たちが夜の愛の歌を歌う中、微笑む私と震える亡者となった彼。 「待たせてごめんね?これからはずっと一緒だよ?ずーっとね……」 そう言って、私は彼の頭蓋骨に頬擦りしてみせる。 私があの日埋めたのは、初恋そのものと燃えるような執着心でした。              タイムカプセル END
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