視線

2/3
前へ
/128ページ
次へ
 よくある話だよね、ほらお風呂で髪を洗っていると背後に視線を感じる。 けど振り返っても何も居ない。 そういう時は、実は幽霊が自分を上から見下ろしているなんてね。 まあ、実際幽霊なんて姿が見えないんだから目の前でじっと見られても分かりゃしないと思うけどね。 あとはそうだな……物の隙間や薄く開いた扉の間からこちらを覗く怪異なんてのもあるね。 何にせよ、得体の知れない視線ていうのは怖いよね。 もしだけど、仮に視線の主が分かっても結局怖い事のほうが多そうだけどね。 もし、それが幽霊の類だったら? もし、それが得体の知れない化け物だったら? 逆にこう思うだろうね。 知らなければ良かったと…… まあ、そういった物には愚鈍になるに限るよ。 普段姿を出さない者なら探さなければいい。 視線も気の所為だと鼻歌でも歌いながら趣味に没頭すればいい。 まあ、例外もあるけどね。
/128ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加