1445人が本棚に入れています
本棚に追加
「何故貴方が謝るんですか。それより、首を噛まれていませんか」
心配そうに尋ねてくる彼の言葉通り、首の後ろに手を置いてみる。幸いな事に首は噛まれておらず、未遂のままだ。舐められた時はヒヤッとしたが、本当に良かった。安堵する僕を見て、白雪さんも困った様に小さく笑い、注射器を抜く。
「あまり自分を責めないで下さいね。発情期が終わる迄鍵を閉めておけば、もう誰も入って来たり、怖い事が起きたりはしませんから」
「有難う御座います…白雪さん」
シーツで身体を包みながら心から感謝を告げる。
白雪さんが居て良かった、と泣きそうになりながら、ふと彼の足元を見据える。驚いた事に、発情期に当てられ、自分を襲ってきたのは瀬名さんだった。ぐったり項垂れる様に床に倒れている。
最初のコメントを投稿しよう!