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「瀬名さんだったんだ…」
「………多分、暫くは目が覚めないと思うので休憩室に連れて行こうと思います。それにしてもこの男だったとは。…発情期が終わった時、万が一また襲われたりでもしたら…」
不安そうにブツブツ不吉な事を呟く彼に、慌てて「それは大丈夫ですよ」とかぶりを振る。第一、彼は僕の匂いに当てられ、この様な行為に至ったに過ぎないのだ。故意で僕に手を出す理由は見つからない。
「…琥珀様は警戒心が無さすぎるのです。そんなんだったら、いつかその無防備さにつけ込まれてしまいますよ」
「………ごめんなさい」
無防備かは分からないが、警戒心は確かに備えておくべきだ。彼の説得に納得した僕は素直に謝る。よし、と頷いた白雪さんは、そのまま項垂れた瀬名さんを肩に抱えて扉迄向かう。
「それじゃ、私はこれで。発情期が終わったら、またあのニートのお世話をして頂けると嬉しいです」
「…!勿論です!」
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