episode 4

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真っ直ぐな視線。自分で認めてしまってはなんだが、どう見ても興奮に左右されている様には見えなかった。まるで自分の意思で決めたかの様な言葉。そして、僕が混乱で固まっている間に麗二は僕に触れてしまっていた。好きな人に触られて抵抗する事も出来ない僕は、もはや受け入れざるを得ない状況になっていた。 __________ _____ クチュクチュと卑猥な音が寝室に響き渡る。 恥ずかしくて枕に突っ伏したまま、片方の手で麗二の腕を押さえて必死に虚しい抵抗をする。既に自分のアソコの辺りを、長い指がカリッと引っ掻いてきている。 「………狭いな」 ポツリと呟き、カリカリと引き続き掻き続ける彼。チラリと見てみるが、やはり麗二はラット状態のままだが、意識はハッキリしている。しかし何度「だめ」と呼び掛けても、やめてくれる様子は無い。 「麗二、其処はダメ」 「何で」 縋る様な視線を向けてくる彼に、うっ、となる。 只でさえ、この様な展開は許されるモノでは無いのに、どんどん身体を許してしまったら、もう後戻りが出来なくなってしまう気がする。その時に久遠家の信頼や、今迄の関係性が一気に崩れるかと思うと…今度こそ自分の居場所は無くなってしまうのかもしれないと冷や汗が止まらない。
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