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その時は麗二の番になりたい。
つまり、現段階ではまだ番にならない。
先ず、麗二を立派な跡取りに相応しい人材に育てる。そして、彼が完璧に更生したその時には正式に番になる。彼と話し合ってこういう結論に至った。因みにそれまでセックスは禁止と決めた。
「琥珀様、頭を上げて下さい。私には、それを許す許さないを決める資格は御座いません。決めるのは貴方と麗二様です」
「……!」
「今の当主は麗二様、ご本人なのですから」
諭す様に優しく続けてから、そのまま視線を窓の外を向ける。そうして、まるで思い出を懐かしむ様な口振りで「ずっと心配でした」と呟いた。彼の目は少しだけ寂しそうに見える。
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