𝐓𝐫𝐮𝐞 𝐋𝐨𝐯𝐞 𝟏

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身寄りの居ない僕を引き取ってくれた久遠家の当主。 初めて彼の家に連れて来られた時、家の大きさと何人もの使用人の存在に驚き過ぎて、門の前に着くなり腰を抜かした痛い思い出は今でも胸の奥にしまっている。 『此処にはね、私の大切な息子の長男と次男が居るんだ。次男の柚月は部屋に篭もりがちなんだが、…まぁ会ったら仲良くしてやってくれ』 『はい』 部屋に篭もりがちって何でだろう…と小さく思いながら、開け放たれた玄関に足を踏み入れた次の瞬間、『父さん!』と叫ぶ青年の凛とした声が耳にスッと入ってきた。顔を上げると、メイドや執事と共に出迎えてくれた輝かしい程の金髪を持つ少年が其処に居た。僕を見るなり、キラキラした目で言う。
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