激情

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「貴様は歪んでいるぞオーランドォッ!!」  一瞬の隙を突くと、彼にめがけて突進してタックルした。オーランドは不意をつかれて倒れた。ローゼフは激しい怒りに身を任せると彼の上に馬乗りになって両手で首を絞めた。 「お前のその歪んだ心はもはや人ではない! よくも私のピノを傷つけたな! 今すぐ貴様の息の根を止めてやる!」 『グハッ!!』  ローゼフは両手に力を入れると本気で彼の首を絞めた。普段は大人しくて優しい彼だったが、オーランドの陰謀により彼は躍らされ、挙げ句の果てには大事なピノまで傷つけられ、そんな彼の行動にローゼフは、怒りを一気に爆発させたのだった。すると突如、空に銃声が響いた。乾いた銃声が、静けさが漂う夜の街に響いた。アーバンは空に向かって銃声を鳴らすとそれを彼の方に向けた。 「ローゼフ伯爵、この子がどうなってもいいのですか!?」  アーバンはピノを人質にすると、彼に銃口を向けてニヤリと笑った。 「アーバン、貴様ぁっ!!」 「ローゼフたすけてぇ!」 「おっと、そこを動かないで下さいね。少しでも変なマネをしたら危うく銃を撃つかもしれませんよ?」  アーバンは上品な口調で彼を脅した。ローゼフは、彼の卑怯なやり口に唇を噛んだ。 「――では、大人しくオーランド様から離れなさい。出なければ貴方の大事なお人形の顔に、また一つ傷が増えますよ。いいのですか? 貴方にとってこの子は大事なんでしょ?」 「くっ…! なんて卑劣な奴なんだ…――!」  ローゼフは唇を噛むと悔しさを込み上げたまま、彼の側から仕方なく離れた。 「この際、いい機会だから私が貴方に教えて差し上げましょう。私が何故、愛玩ドールを見つけたかを…――」  その言葉にローゼフは一瞬反応した。オーランドは噎せながら立ち上がると彼の傍から離れた。 「アーバンこの際、教えてやれ! お前がいかにしてその人形を手に入れたかを――!」  アーバンは頷くと彼に銃口を向けたまま話した。 「私はあの時、導かれた運命により。この人形を手に入れたのです。私も最初は疑いました。ですが、彼の話は実に興味深かった。だから私は彼から愛玩ドールを手に入れたのです――」  アーバンはそう話すと怪しくニヤリと笑った。 「彼とは誰だ…!?」 「いい質問ですね。彼とは、貴方よりも前のその子の「マスター」だった方です」 「何っ!? なんだっと…――!?」  思いがけない言葉に突然、大きな衝撃を受けた。
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