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ある秋の日の夕方。
その日もK君は教室の片隅で、ブロック遊びをしながらお迎えを待っていた。
今日はお母さんもお父さんも仕事だし、おばあちゃんが迎えに来るのかな。
そんなふうに思っていると、
「K君」
と後ろから声をかけられた。担任のC先生の声だった。
ブロックを手にしたまま振り返ると、
「お迎えが来たから、おうちに帰る準備しようね」
C先生がそう言いながら、窓の向こう、保育園の庭を指さした。
しかしそこには、見たことのないオジサンが立っている。
髪の毛をオールバックに撫でつけ、白いTシャツにグレーのジャケットを羽織っていた。
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