みよちゃん

私は、みよちゃんを父親が何度も迎えにきているのを見たことがある。
父親はいつもパリッとした清潔そうなスーツに、日によってネクタイを変えている。
ネクタイもおしゃれなブランド物で、さすが可愛いみよちゃんのお父さん、と言った感じだ。

ただ、いつも不思議に思うのは父親が校門の前ではなく、学校の最寄駅でもなく、その駅から二つ離れた駅で待っているのだ。
私の家の最寄りなのだが、あまり同級生たちは来ないようなお高めのテナントが並んでいる。
正直、お金持ちばかり来るから私は家に帰るまでの道が肩身が狭くてあまり好きでない。

今日もファッションブランドのテナントから、みよちゃんはお父さんと仲良さそうに腕を組んで出てきていた。

あーあ、私のお父さんも荷物持ちに迎えに来てくれればいいのに。