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午前の講義が終わるチャイムのなる時間付近から、食堂は一気に賑わいを見せる。 食堂とは対極に講義で使われる数多い教室は、その半分にも満たない賑やかさで終わる。 「ミズキちゃんは?」 「さっき今終わったって連絡が来ていたから、 もうそろそろ来るんじゃないかな」 僕の前の席でパックジュースを飲みながら問いかけてくる端正な顔立ちをしている彼は、瀬戸内誠也だ。 小学校からの幼馴染みで親友、彼以上に信頼を寄せている友人はいない。 だからこそ、ミズキと付き合った時僕は彼女との食事時に彼を誘った。 「ヒナタくん、 遅くなってごめんなさい!」 廊下からヒールの擦れる音が聞こえてきて、少し息を切らせたミズキが入ってくる。 「大丈夫だよ。 そんな謝るほどじゃないから」 「そうですか…? セイヤくんもお待たせしてすみません」 微笑んだ僕に安堵した笑みを浮かべるミズキはセイヤにも謝る。 別に、と言ったセイヤはすでにお腹が空いているのか買ってあるパンを開け始めていて、クスリとミズキが笑った。
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