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映画はラブストーリーで、女の子が好みそうな内容だった。 「本当にいいお話でしたね!!」 内容に満足したのか、パスタを食べる手を止めてうきうきと僕に感想や見どころを説明してくれるミズキ。 僕にはあまりわからなかったけれど、そうして教えてくれるミズキを見ているだけで一緒に観てよかったと思える。 「ミズキ、口の端についてるよ」 「え??」 きょとんとしたミズキの口元を紙ナプキンで拭う。 かあっと顔を赤くするミズキは今度は口周りにつかないよう、ゆっくりとパスタを食べて。 楽しい時間はあっという間に過ぎていく。 あまり遅い時間まで連れ回したくはないのは僕の我が儘だけれど、何かあれば怖いしそれをミズキは理解してくれている。 「ごめん、お手洗いに行くから待ってて。 カバンお願いしてもいいかな?」 「わかりました。 いってらっしゃいです」 「すぐ戻るから」 「そんな急がなくて大丈夫ですよ」 ミズキのその言葉はきっと僕への気遣いで、ありがとうと言ってお手洗いへ行く。 「―…本当に、大丈夫なのに」 微笑んでいたミズキの真意がわからなかった僕は、きっと大馬鹿者だったんだろう。
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