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温泉旅館深山荘
瑞鶴はため息をついた。なんという他人行儀なのだろう、と。女の子が留学生として下宿しているということは言いたくないというのはわかるが、あまりに無神経な気がする。一週間前ということは、ちょうど私が一度、深山荘に使いで行った時ではないか。宅急便の車が来ていて少しバタバタしていたが、あの時だったのだろう。なぜ、話もしてくれないのか。
一言言っておいてくれさえすれば、すぐにもレオラさんと知り合えただろう。
ふと思う。
あのレオラという子は悪い感じはしないが、やはり北欧の女の子というのは綺麗なものだ。佑亀が気を惹かれないとは限らないのではないか。いや、と思う。いったい何を馬鹿なことを考えているのだろう、私は。
瑞鶴は大きな鉄製の門の横の呼び鈴を鳴らした。
「瑞鶴です。ただいま、帰りました」
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