愛vs玲

11/15
前へ
/15ページ
次へ
……… … ピンポーン 教えられたアパートの呼び鈴を鳴らす。 しかし、中に人の気配を感じない。 「…あ、今日平日じゃん」 「玲…あんた馬鹿なの?」 「う、うるさいな!」 「あんたに対する罵詈雑言尽きないわー。  言霊冥利に尽きるよほんと」 平日仕事してるなら 家にいないのは当たり前か。 そんなことにすら気がつけないなんて… それだけ愛と会いたかったってことなんかな。 「…あら?玉井さんのお知り合いですか?」 「えっ?」 すると50代くらいのおばさんに声をかけられる。 玉井さん…あぁ、愛のことか。 「そうですけど…あなたは?」 「私、このアパートの大家です」 「あ、そうなんですね。  …不在みたいなんでまた出直します」 「え?何も聞いてないんですか?  玉井さんはつい2週間前…」 大家さんが悲しげな表情で事情を話始める。 「…っ!愛!」 その事実を聞いて… 俺は弾かれたように走り出した。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加