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「てかあんたねぇ、
罵るタイプの言霊って相当よ?
あんたどんな悪党なのよ」
「いや、一般人のつもりだけど…」
そこそこに。
「この見た目になんか見覚えないの?」
「…うーん」
罵られるほど関係の深い
アッシュ髪の人なんていたか?
髪色関係なければ1人だけ思いつくが…
切れ長の瞳で…気が強めの…
「あっ、もしかして…愛かも?」
「は?愛?」
「いや…玉井 愛梨っていう人かなって」
「誰それ」
「幼馴染ってやつかな…うんと小さい頃から
高校卒業まで腐れ縁だったやつ」
俺には幼馴染がいた。
上京する前まで長いこと腐れ縁だった女の子。
向こうも上京してるはずだが
こっちで会ったことはない。
いわれてみれば、目の前の幽霊は
目元とか性格とか少し似てる。
「その幼馴染がなんであんたを恨むわけ?」
「いや…腐れ縁だったからなのか
顔を合わせれば罵倒しあってたんだよな。
今思えば痴話喧嘩だけど、そんなんばっか」
「それなら言霊になるほどじゃなくない?」
「いや…高校卒業で別々の道に行く時、
結構ひどいこと言ったなぁと思い出して…」
「ふぅん?どんなの?」
言霊も自分のルーツは気になるんだな。
俺はぽつりぽつりと話し始めた。
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