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研究所
「君は確か…」
敬太は琴葉が去った場所に立ち竦んでいる
「更科です、川崎敬太さんですよね?」
「はい、確かアンタは天城を追っかけ?だったっけ」
敬太は皮肉を込めて質問の答えを言う
「確かに追いかけてはいますよ、大事なサンプルですからね」
美樹は怪しく笑う
「恋愛感情じゃないって言い方だな」
「あんな化け物好きになるわけがない…あなたとは利害関係が結べそうだから、彼の秘密あなたにも教えて良いのよ…可愛い大好きなガールフレンドを天城から奪い返したいでしょ?少し時間いただけないかな?」
美樹は都内の一角にあるラボに敬太を案内する
どこにでもある高層ビルで全面ガラス張りのお洒落な雰囲気
一階は商業施設で上層階はオフィスビルになっていた
ビルの案内板に“更科製薬”と書かれていた
警備員は無言で自動化した通用口を開ける
美樹は何事もなかったように通過し、オフィスとは別のエレベーターに案内される
明らかに専用感を漂わせている
カードリーダーでスキャンするとエレベーターの扉が開く
hpと書かれている階のボタンを押すと、素早くエレベーターが上層階に向かう
「研究所を立ち上げる前は、ある女性を親族に引き継ぎした後に私がこの会社を大きくして
悪びれもなく不思議な会話を美樹は続ける
「私は高校生でもない、天城もそうだけど…お互い経営者兼…」
エレベーターの扉が開くと長い通路が続く
床は大理石をあしらい、天窓まで続くガラスには綺麗な街の風景が見えた
金に惜しまず内装の贅沢な作りが彼女の資産を見せつけていた
廊下の先にある扉を開くと、部屋の半分のところで薄いカーテンが引かれた
美樹がカーテンを引くと部屋の中央部に医療ベットと点滴のポールから血液パックがぶら下がっているのが見える
「こっちよ」
美樹がベットに横たわる女性、腕には点滴ポールから管に腕に繋がれていた
敬太は覗くとベットに横わる女性の顔を見る
輸血で手を繋がれている以外に、足や腕には施錠をされたベルトで巻かれている
「この人は一体?!」
「この方は唯一…、天城が魔物にさせた人間…」
敬太が不思議そうに覗くと美樹は彼女の唇をまくると人には見慣れない犬歯が見えていた
「天城さんが?…」
敬太は理解できず首を傾げる
「うん、彼女は…吸血鬼…よ」
美樹はベットで眠っている女性の頬を撫でた
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