神裔のモノ

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神裔のモノ

古代種の起源は謎に包まれている 真核生物から生み出された遺伝子変異から生まれた 古代種の近しい地球上の生物として、一定の時期になると毒を輩出する植物や生態の変化で性転換する動物もいる あれも一種の古代種の近しい関係だと考えられている 古代種は人間以外にも受け継がれるため、 人ならぬ”リュカントロポス(獣人)” 古代種の変異遺伝子配列で生まれた人の生体に似た純血種、8割古代種の遺伝子配列となり特殊な能力をそのまま受け継いでいる 古代種を受けついた生体は”神裔のモノ”と呼んでいる 美月の瞳が紅く光る 銀色の狼は何もすることもなく闇に消えていく 度々監視するように何もせずに現れ顔を見るとすぐ消える しかし、今は琴葉がいる 彼らに常に命を狙われてもおかしくはない 今までに感じたことのない美月は途方もない恐怖を感じる 尊のように目を離した瞬間に居なくなってしまう運命を再び味わう恐怖 愛していた人が血塗れで冷たくなっている姿 美月は目眩と吐き気に襲われる そこから湧き上がる憎悪と琴葉に対する執着 “琴葉は誰にも…渡さない…” 家に戻るとベットに琴葉を寝かせようとすると美月の腕を掴む 「起こしてしまった…」 琴葉の頬を撫でる 彼の熱い眼差し 「ゆっくり休むと良い…」 優しく語りかける穏やかな口調 少しずつ美月の眼差しが甘くなる 「疲れているだろ?」 美月は彼女に諭すように言ったが掴んでいる琴葉の手が強く握られていた 琴葉は不安な顔色になる 「どうして腕を離さない?」 美月は琴葉の異変に気がつく 「美月が腕がずっと震えてる…1人にできない」 琴葉は真剣な顔で美月に訴えた 「怖がらないで…私がそばに居るから」 琴葉がしがみ付くようにうったえると震えていた彼の腕が止まる 美月はため息をついて琴葉を抱きしめた 「ごめん…そんな優しいこと言われたら抑え効かなくなる」 1ce265bb-df5f-487b-a2e7-bb178804565b
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