蒼い想い

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蒼い想い

琴葉は噛まれると思い身構えた しかし、包み込むように琴葉を抱きしめた 「噛まないの?」 「血を吸わなくても生きていられる、時と場合によっては必要になることもある…それと求愛で吸うのも悪くない」 美月は琴葉の頭を撫でる 「求愛?」 「俺が直接吸血してるときは「レセルピン(※)」に近しい媚薬効果を相手が接種することで、吸われている相手に脳内物質ドーパミンの働きを抑制し、相手の行動を操作する媚薬効果を出す…いわゆる"相利共生"だな、俺の利己的な行動操作により相手を操作できる、琴葉に強く求愛を求めたいとき、さっきみたいに煽られたときは吸血してしまうかも…」  ※血管を収縮させる交感神経をゆるめ血圧を下げるアドレナリン作動性ニューロン遮断薬 「煽ってなんかいないよ…」 琴葉は拗ねたような口調になる 美月のキスは暖かくて嫌いじゃない 「美月といるとたまに変な気持ちになる、さっきみたいに不安な態度になると困る」 困った顔をしてる半面、心のどこかで暖かい部分を感じていた 夢で何度も出会っている美しい金色の髪に透き通るような蒼い瞳の人間だったころの美月 懐かしくて…熱く愛おしい気持ちに襲われる 「顔赤いよ…、そんな顔してるともっと深い本能の部分まで琴葉を知りたくなる」 美月の逞しい胸の中に抱きしめられながら、彼の言葉で琴葉は涙ぐむ 9a826257-8965-4dc6-b3cd-21e6c6e2c3ad 「少しだけなら…いいよ」  ※続きは、ラブラブなシーンについては   スター特典にて!   朝、目覚めると美月が隣で寝息を立てている 彼の匂いが体に染み込むように琴葉からもムスクの香りが漂う 情熱的に抱かれているのに、美月のキスもすべて優しいと感じてしまう 敬太に一度抱きしめられたことがあるが、美月とは違う 彼は昔から知っているような求める仕草が忘れている想いを呼び起こすような気持ちにさせる 琴葉は起き上がろうとすると、腕枕をしていた美月の手が彼女の腰を引っ張り彼の元に引き寄せる 「もう少し余韻を楽しませて…俺の匂いがする琴葉もエッチで可愛いよ…」 彼の腰が琴葉の腰にぴったり引っ付ける 犬歯で舌を傷つけると血を琴葉に与えるためにベットが軋むくらい激しく何度もキスをする 「これも…媚薬効果なの?」 求めるようにキスをしながら琴葉は美月に問く 「吸血は食欲と性欲は似ているから…琴葉がシテ欲しくなったら同時に求めてもいい…」 「刺激が強すぎて…」 琴葉はハマったら最後…と一瞬ヒヤリとする感情に襲われる 「嫌いじゃないだろ?俺は琴葉のためならいくらでも俺の血をくれてやってもいい、その代わり琴葉の心も身体も全部貰う」 彼と繋いだ手の薬指には美月に付けてもらった指輪に付いているダイヤが青白く光る 彼が熱く想いを語るときは瞳がブルーかかって見える 琴葉は思わず胸の内を口にしてしまいそうになる
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