同棲

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同棲

琴葉は退院すると、美月の住む高層マンションの一室に通された 3SLDKの最上階の部屋 「ここで一人で?」 琴葉は居間に通されると、部屋の天井の高さに驚く 「俺がこのビルを運営してるから、ビルごとかもしれない」 「天城さんって一体何者なの?」 冷蔵庫から天然水が入った瓶を取り出し、グラスに水を注ぎ琴葉に渡す 美月は居間のソファに横たわり琴葉を隣に誘った 「肩書は資産家の夫ってことでいいんじゃないかい?」 彼はいたずらっぽく笑う 「ちょ。学生でまだ結婚なんて…見た感じ私と年齢が変わらない感じで拍子抜け、、本当はずっとオジサンなのかなって」 …肌の艶も私より全然綺麗で…嫉妬するくらい北欧系の美形な顔立ち 「俺を男として欲しくなってきたのか?今すぐ君の体で契りを交わしてもいい」 美月は嬉しそうに微笑み彼女を抱き寄せた …微笑んだ顔もイケメン…でもそんな事言ったら即刻食われそうな予感しかない 「もう、エッチな人嫌い」 琴葉は顔を赤らめてソファーを離れる ふと琴葉は部屋の扉に立ち止まる 「私の部屋ってどこなの?」 美月は居間から廊下に出ると一つの部屋の扉を開けた そこには実家においてあった家具が並べられている ウォークインクローゼットの中にはきちんと服がかけられている 引き出しの中には、下着も畳まれて綺麗に整頓されていた 「ひぃっ、、気味が悪いほどの徹底っぷりね」 「足りないものは居間にある専用内線からコンシェルジュに頼むといい、手配してくれる」 「なんか想像以上に凄い家」 琴葉はため息を付く 「…そういえば…この部屋にベットがないの?」 少し怒り気味に美月に詰め寄る 「俺の部屋にあるから問題はない」 …せめて。。ツインとかかな? 美月は寝室に誘うとそこにはキングサイズのベットが一つだけ置いてあった 「くぅ…一つしかない…」 愕然とする琴葉の隣に嬉しそうな美月 「これくらい当然だろ?俺にとって気が遠くなるくらい長い時間またせられた」 琴葉を後ろから優しく抱きしめる 「あ…悪魔め」 「なんとでも言え」 琴葉の頬に美月は軽いキスをする 「ひぃぃ」 「俺のことが好きじゃないのか?」 美月が急に真剣な表情に戻る …嫌いじゃない ただし、まだ深入りするほど彼のことを知らない 心のどこかでは深入りしていることも感じているが、まだ受け止めることができなかった 「す、、好きとか…」 顔を赤らめている琴葉を見て、美月は抱きかかえベットに押し倒す 彼女の手首を掴み身動きがとれないようにするように覆いかぶさる 「可愛いよ、琴葉。このまま全部僕のものにしたい」 美月は琴葉の顔を近づけてくる …キスされる! 琴葉は顔をそむける 「俺のこと嫌い?」 美月は悲しそうな顔で見つめてくる 琴葉は胸が苦しくなる 綺麗な顔が悲しみの表情を浮かばせると余計責任を感じて心が揺らいでしまう 「いいえ…」 「その言葉だけでも俺は嬉しい」 美月はベットから起き上がる 彼の腕に抱かれたらきっと違う未来が見えていたのかな 琴葉はあの悲しげな眼差しが余計心が揺れてしまう
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