四 あの日へ

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首を横に振って、敦史の胸に顔を埋めた。 ホアンに抱き締められるのとは違った温もり。 私は顔を上げてホアンを見つめた。 ホアンは優しく微笑み背を向けると静かに店を出て行った。 「彼は誰?」 「お兄ちゃん」 「いたっけ?」 「みたいな存在」 ごめんね、ホアン。 ホアンが帰れるかもしれない方法をなぜ隠していたのか、何となくわかるんだ。でも、私は。 敦史の手を強く握る。 「帰ろう、あの日へ」 敦史も力強く握り返してくれた。
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