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首を横に振って、敦史の胸に顔を埋めた。
ホアンに抱き締められるのとは違った温もり。
私は顔を上げてホアンを見つめた。
ホアンは優しく微笑み背を向けると静かに店を出て行った。
「彼は誰?」
「お兄ちゃん」
「いたっけ?」
「みたいな存在」
ごめんね、ホアン。
ホアンが帰れるかもしれない方法をなぜ隠していたのか、何となくわかるんだ。でも、私は。
敦史の手を強く握る。
「帰ろう、あの日へ」
敦史も力強く握り返してくれた。
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