迎えの船

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 しばらく後、私は船の甲板に呆然と立ち尽くしていた。 「どういうことだ。一体どうなっているのだ」  私はロープをよじ登り、船へ乗り込むことに成功した。しかしあろうことか、船には人っ子一人乗っていなかった。 「ばかな。そんなはずはない」  だが隅から隅まで探しても、人の姿はどこにもなかった。  私は操舵室へ入った。船の計器類を確認すると、どれも正常だ。燃料もある。  全く状況がつかめない。だが、やるべきことはひとつだ。 「必ず、生きて帰ってやる」  大型船舶の免許を持っている私は、この無人の船を自分で操縦して陸地を目指すことにした。
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