迎えの船

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 航海日誌の存在に思い至ったのは、航行を開始してから数時間後のことだった。  私は船の速度を緩め、急いで操舵室のデッキを探す。日誌は簡単に見つかった。  暑さに顔をしかめながら、私は航海日誌を読み始めた。  日誌によると、この船は私の船より何日か後に出航している。 「無人のまま、どのくらい航行していたのだろう」  前半部分には、特に気になる記述はない。私は次々読み進める。  やがて、航海の概要以外に、メモのような走り書きが散見されるようになってくる。 (体調のすぐれない船員が増えている) (船員たちが暑いと苦情を申し立てている。気温はそれほど上昇していない。機器の故障か?)  等、何か不穏な空気が船内に漂い始めたことが、その記載から推察できる。  額の汗を拭いながら、私は頁をめくる。
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