迎えの船

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 明け方のことだった。脊髄まで響くような強い揺れに眠気を吹き飛ばされた。  一瞬、自分がどこにいるのかわからなくなる。  そうだ、私は今、小さなヨットで太平洋を横断しているのだった。  今となっては、何故そんな無謀な試みをする気になったかもう忘れてしまった。とにかくここのところは、襲い来る波と戦うので精一杯だった。  私は急いで揺れの原因を確かめようと船内を確認する。 「座礁だ!」
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