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彼の心情
「そんな雰囲気悪い部なんてやめてしまって文芸部に入ったらいいじゃん」彼女の言葉がぐるぐると頭の中で響き渡る。
水神凜花。たしかいっつもテストのとき僕の上を行っている才女っていうイメージしかなかったな。まさかあそこまで変人とは。
謎って言葉を聞いた瞬間表情が変化していた。目が大きく見開かれていた。
犯人は誰か予想はついていた。三上先輩は僕のこと嫌っていた。あのとき声を聞いてわざわざ密室を作ろうとしたんだろうな。
一つだけあの人の推理は違っていた。きっと何の理由も無く誰かに聞くはずもないって思っていたんだろう。トリックもなんとなく検討はついていた。それでも聞いたのは他の人に意見を聞きたかったから。
憂鬱な気分で部室へと向かう。
「そろそろ辞める決心はついたか浅野」
顧問が嫌味をいう。周りの視線も鋭利な刃物となって突き刺さる。僕があの人の見解を言っても聞く耳を持ってくれないだろう。
それならこんなところにずっといて誤解を解くために努力しても結局は同じことだろう。
明日退部届を出そう。
思い積荷を降ろしたみたいに心が軽くなった。そしてもう周りが気にならなくなった。そして今書いてる絵に集中する。
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