教卓上のプリンス

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教卓上のプリンス

「好きです!先生!」 「えっ」 ここは私立毬高学園(まりだかがくえん)。 白を基調とした校舎に、色の選べる制服。 人気の学校として、有名な所だ。 そこの、校舎裏。 さらにそこの、教師、そして、女生徒。 御厨献(みくりや みつぐ)と、柳井絵美(やない えみ)。 「え~と、絵美ちゃん?俺、先生」 「わ、わかってます!だけど……す、好きなんです!!」 ____困ったな。 黒のくせ毛をワシャワシャする。 ああ〜、誰か助けて。 いや、嫌いってわけじゃないけど…… 「じゃ、無事に卒業出来たら考えてやる!」 「え、ええっ!?いいんですか!?」 彼女は茶色のツインテールをぴょんぴょんと嬉しそうに跳ねさせている。 「やったよ!優子っ!!」 友達を連れて来んなよ。まあいいけど。 「あぁ……うん」 慎優子(まき ゆうこ)。優等生で、クールな美少女だ。 「なあ慎優子さん?あのさ、」 「近寄らないで、私の絵美を____いや、なんでもない」 「えっ……プリント、運んどけよ?」 「はいはい」 辛辣。 ||||||||||||||||||||||||||||||||||| 僕はいつもどおり、ゲームをしている。 それしか好きになれないし、好きになろうともしたくない。 僕は、朝史唯我(あさじ ゆいが)。 うるさい教室がだいっきらいで、毎日屋上にいる。 「チッ、また切断かよ」 と。 世界でもトップクラスにいるゲーマー、Asaji** まぁゲーヲタなら知ってて当然、という感じだ。 でも自慢はしない。 自慢したいと思うのは陽キャの発想だ。
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