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あー……。どうすんだよ、コレ。
破壊的な可愛さに、理紫の理性の針は一気に振り切れる。
……もう、いいだろうか。もう、いいよな?
「理紫……? 」
理紫はコツンと海月の額に自分の額を合わせると、そのまま白い首筋へと顔を埋めた。
重ねた身体がベッドに沈み、ギシッと音を立てる。
「理紫っ、あの、あのねっ 」
しかし、このまま雪崩れ込みたいのに、柔らかな胸元に伸ばした手を制止された。
これ以上我慢したら、優しく出来なくなる。 それなのに、未だお預けを喰らわそうというのだ、この子は。
「……今度は何? 」
「教えて欲しいの 」
「教える? 」
「どうしたら、緊張しないで慣れることが出来るの? 」
理紫はクラリと目眩を感じた。
ちょっと待て。またそこに戻るのか?
「菜乃花に相談した時に言われたの。男の人って、こういう事をする時、色々として欲しいことがあるんでしょう? 私、頑張るから 」
聞き慣れた名前に、ユラリと理紫の背中に黒い焔が立ち上る。
頭の中で見知った人物が得意気に笑っている映像が浮かんだ。
……く~ろ~き~~、お前か! 俺のみぃちゃんに変なことを吹き込んだのは!
「俺をあの、変態職業教師と一緒にするな 」
「え? 」
それに頑張ってくれるのはいいけど、斜め上過ぎると何故気付かない?
理紫は落ちてくる長めの前髪を、鬱陶しそうにかき上げた。
「……分かった、じゃあ慣れよう 」
「え? 理紫? 」
「今、慣れよう、直ぐ慣れよう 」
そう言いながら、ぷちぷちと海月のブラウスの釦を器用に外していく。
「え? え? あ、や……、何して 」
海月が一瞬たじろいだ隙に、抵抗する手をいとも容易く頭上に一纏めにする。
「あのさ、俺、さっきからすっげぇ情けない格好してんだよね。 」
チラリと自分の下半身に目を向けると、釣られて海月の視線が動いた。寛げられた前から丸見えの剛直な屹立に、「きゃっ 」と海月が声をあげる。
「……『きゃ 』じゃねーよ、誰がやったんだよ 」
「わ、わたし……? 」
「どうして疑問形? 君以外に居るわけないでしょ。 だからさ……」
理紫はクックッと笑いを噛みころす。
「だから、いい加減に抱かせてくんない?」
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