ジョウゲンノツキ~理紫くん!これ以上は無理です!!~

6/11
前へ
/11ページ
次へ
あー……。どうすんだよ、コレ。 破壊的な可愛さに、理紫の理性の針は一気に振り切れる。 ……もう、いいだろうか。もう、いいよな? 「理紫……? 」 理紫はコツンと海月の額に自分の額を合わせると、そのまま白い首筋へと顔を埋めた。 重ねた身体がベッドに沈み、ギシッと音を立てる。 「理紫っ、あの、あのねっ 」 しかし、このまま雪崩れ込みたいのに、柔らかな胸元に伸ばした手を制止された。 これ以上我慢したら、優しく出来なくなる。 それなのに、()だお預けを喰らわそうというのだ、この子は。 「……今度は何? 」 「教えて欲しいの 」 「教える? 」 「どうしたら、緊張しないで慣れることが出来るの? 」 理紫はクラリと目眩を感じた。 ちょっと待て。またそこに戻るのか? 「菜乃花に相談した時に言われたの。男の人って、こういう事をする時、色々として欲しいことがあるんでしょう? 私、頑張るから 」 聞き慣れた名前に、ユラリと理紫の背中に黒い焔が立ち上る。 頭の中で見知った人物が得意気に笑っている映像が浮かんだ。 ……く~ろ~き~~、お前か! 俺のみぃちゃんに変なことを吹き込んだのは! 「俺をあの、変態職業教師と一緒にするな 」 「え? 」 それに頑張ってくれるのはいいけど、斜め上過ぎると何故気付かない? 理紫は落ちてくる長めの前髪を、鬱陶しそうにかき上げた。 「……分かった、じゃあ慣れよう 」 「え? 理紫? 」 「今、慣れよう、直ぐ慣れよう 」 そう言いながら、ぷちぷちと海月のブラウスの釦を器用に外していく。 「え? え? あ、や……、何して 」 海月が一瞬たじろいだ隙に、抵抗する手をいとも容易く頭上に一纏めにする。 「あのさ、俺、さっきからすっげぇ情けない格好してんだよね。 」 チラリと自分の下半身に目を向けると、釣られて海月の視線が動いた。寛げられた前から丸見えの剛直な屹立に、「きゃっ 」と海月が声をあげる。 「……『きゃ 』じゃねーよ、誰がやったんだよ 」 「わ、わたし……? 」 「どうして疑問形? 君以外に居るわけないでしょ。 だからさ……」 理紫はクックッと笑いを噛みころす。 「だから、いい加減に抱かせてくんない?」
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

370人が本棚に入れています
本棚に追加