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驚いた様に、大きくなる瞳。
「や……っ、待って! さと……、ちょっと待ってっ! 」
「待てるか、コラ 」
散々人のことを煽っておいて、土壇場になって逃げようとはどういうことか?
焦って、ジタバタと暴れる白い足を、理紫は自分の身体で押さえ付ける。勿論、探る手の動きは止めたりはしない。
「頑張るって意気込みは認めるよ。大切にしてるから少しづつでいいと思ってたけど、折角、色々してくれるって言うならやりたいこと全部してもらおうかな? 」
微笑みを浮かべながら言ってやれば、海月が恐る恐る聞いてくる。
「やりたいこと、って? 」
「そうだね、取り敢えずフェラだけじゃなくて、バック、騎乗位…… 」
「……っ?!! 」
「何を驚いてるの? 」
とんでもないことを言うその口で、胸元を隠していた後一枚になったレースの下着を咥えてずらす。そして理紫は、露わになった自分しか知らない淡い色の胸の尖りをちゅくっと音を立てて吸い上げた。
「ん……っ 」
閉じた瞳を縁取る長い睫毛が震えている。
真っ赤に顔を染めて、羞じらいながら身を捩る姿が可愛い。本当に可愛い、えげつなく可愛い。
やべぇな、俺。遂に語彙力無くなったのか? 可愛いとしか言えないなんて、本当に勘弁しろよ。
大体、こっちは、襲われた経緯がある男相手に無防備晒してる、頭お花畑ちゃんにもう少し警戒心を持って欲しかっただけなのに。
それがこんなに振り回されて、挙げ句、欲しいと言わされるなんて。
悔しさに、ぷくりとした桃色の粒を甘噛みすると、ビクンと海月の身体が跳ねた。反対側のそれには焦らして、囲む薄い皮膚を何度もなぞれば堪えるみたいな吐息が漏れ、ズクンと下半身に響いた。
同時に、胸苦しい程の愛しさが体中で渦巻く。
「海月…… 」
想いが溢れて名前を呼んだ。すると海月がうっすらと目を開けてこちらを見た。
「……と、し 」
細くて滑らかな身体のラインを指先で辿りながら、もう片方の艶やかな粒に口付ける。舌先で転がすように舐めたら、落ちる吐息が深くなった。
「や、理紫、……のに 」
「ん? 」
「まだ、……教えてくれて、ない 」
辿る指の先、薄い下生えのその先に早く触れたくて心は逸っているというのに。
潤む瞳で見上げてくる海月に、どれだけ焦らしたら気が済むのかとため息を吐きつつ、ここまできたらとことん付き合いますよと半ば投げ遣りに理紫は思った。
「どうしたの? 」
「教えて、欲しい、の 」
「うん、何が知りたい? 」
「あの…… 」
しかし海月は、少し躊躇った後、今度こそ本当に理紫の理性を破壊するようなことを言った。
「キ、ジョウイ……って何? 」
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