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いいよ、教えてあげる ーーー。
そう言って、理紫はにっこりと頷いた。その優しそうな笑顔にうっとりと見惚れている海月を置きざりにして、理紫は次々に残っている衣服を手際よく脱がせていく。
パサッとスカートをベッド下に落とされる音に気づいた時には、海月が身に纏っているものは最後の1枚だけになっていた。その1枚さえ、既に理紫の指が掛かっている。
「え……、あの 」
驚いて腰骨の辺りに添えられた手に自分の手を重ねると、胸を隠した腕にちゅっとキスされた。
「どうしたの? どけて 」
上目遣いの瞳も、囁くみたいな声も、とろりと媚薬の様に甘い。
どけてって、どっち? ーーーぼんやりとした頭の中で考えると、理紫がクスッと笑った。
「どっちも、かな 」
心の中を読んだ様な返事に、海月は大きな瞳を瞬かせる。
「どけてくれないと、教えてあげられないよ 」
知りたいんだろ?ーーーと掠れた低い声で聞かれ、海月の答えを待たないまま、口唇を重ねられた。
腰を引き寄せられ、身動きが取れない。しっとりと絡む舌に、じん……と頭が痺れる。
そのうち、滑り落ちた器用な指先が、するりと爪先から下着を剥ぎ取った。
これで完全に生まれたままの姿にされた海月は、羞恥にふるりと身体を揺らすと、シャツがはだけた理紫の胸にしがみつく。
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