ジョウゲンノツキ~理紫くん!これ以上は無理です!!~

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追い討ちを掛けられて、海月はイヤイヤと首を振る。 今だって恥ずかしくてしょうがないのに出来る訳ない、出来っこない! 「やだ……っ、無理、むりぃ…… 」 「まぁ、その反応は想定内だけど。……やめねぇよ? 」 けれど、理紫はそれを許さない。雰囲気を一変させる声音に心臓が鷲掴みにされる。 「泣いたってやめてやらない。……先に煽ったのはそっちだろうが 」 さっきまでの声とは違う、欲望を秘めた低く掠れた声にもう逃れられないと知る。 最後に1つしゃくりあげた後、下唇をぎゅっと噛むと、観念した海月は、それこそ自分では触ったこともないところへと、初めて両手を伸ばした……。 ******** 「やぁ、あ、いや……ぁ、やっ、あっ…… 」 幼い顔立ちに似つかわしくない、豊満な胸が揺れる。 《マシュマロボディ》とはよく言ったもんだ。細い腰を支えながら、以前、黒来の言った言葉を思い出して今更ながらに感心する。 こんな時にそんなことを思い出してしまうのは、そんな事でも考えていないと華奢な身体を欲望のままに突いてしまいそうだったからだ、もっと奥へと貪ってしまいそうだったからだ。 滑らかな背中に口唇を這わせ、「逃げんな 」と、上擦る身体を離れない様に引き寄せる。結合が深くなり、海月がすすり泣きに似た声をあげた。 やばい、心臓から夢中になる。 海月は羞恥で身体を打ち震えさせながらも、理紫の言った通りに、膝裏から伸ばした自分の手で左右に広げ、瑞々しい薄桃色の果実を従順にあますことなく曝した。空気の動きさえも敏感に感じるのか、時折ピクッと細い身体が揺れていた。 もう少し、人の言う事を疑うって事も覚えさせなきゃいけないかな……。 矛盾することを心配しながら勝手な男は、誘われるように伸ばした指をひだに沿って伝わせる。敏感な(つぶ)を摘むと、堪え切れない涙混じりの声が海月の口から零れた。 反射的に閉じようとする足を押さえつけて、理紫は両手が塞がってしまったことに気付く。 いつもは何も知らない様な清らかな顔をしている海月の、普段からは想像もつかないこの淫らで可愛い姿を、もう少し見ていたい気もした。 だが、こっちも理性の限界とやらは近付いて来ている。膝裏を肘で固定して、理紫は海月の手にそれぞれ自分の手を重ねると全てが見える様に開く。 「……や、見な……で 」 掴むシーツで顔を隠そうとする仕種、濡れた声は更に男を煽ることに気付きもしないのだろう。 まだ優しく出来るうちに口唇を近付けて、理紫は柔らかい舌で蜜を啜った。 泣き声が甘みを帯び、初めは抵抗していた手も、髪に絡み付く指の力で快楽に身を委ねたことを知る。 丹念に自分を受け入れる場所を尖らせた舌と指で解した頃、強張る身体とピンと伸ばされた足先で海月が達したことを知った。 「まだ駄目だって言ったのに、我慢出来ない位に気持ち良かった? 」 「ごめ、なさ…… 」 ピリッと口に咥えた袋を破き、中身を見せ付ける様に取り出す。 「()ってからだと身体が辛いだろうからまだ駄目だって言ったのに。どうするの?『これから』だよ? 」 断らないと知っていて理紫が言うと、儚げな声で、「教えて欲しい 」と海月が言った。 ーーーそして、今だ。
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