Scene01 終焉の魔王

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「じゃ、逃げるよ」 小柄な男子生徒がそう小さくつぶやく。 「ああ、頼む」 かみさまがそういうと空間が歪みます。 「糞……!何が起きてやがる!」 ジルが舌打ちをする。 「空間魔法だよ」 小柄な男子生徒がそういうとカナタたちと共に姿を消した。 「逃げ切れたのか?」 かみさまがそういうと焔が言った。 「いや勝てたんじゃないのか?」 「どうだろね。  ジルベルトだけなら余裕だけど。  ジャキはなぁー」 万桜が苦笑いを浮かべる。 「そんなに強いの?ジャキって。  ジルの金魚のフンって感じだったんだけど」 シエラが言う。 「はっきり言おう。  ジャキは強い。  組織上ジルの下にいるのだろうがな」 「まぁ、銃もできて魔法も使えて剣術もできるからね」 小柄な男子生徒がそういうとカナタが尋ねる。 「ところで君は???」 すると男子生徒はメガネを掛けていった。 「君は本当に周りに無関心なんだね」 「え?」 「お前らは多分同じクラスだろ?」 焔がため息を吐く。 「知らなければ今知ればいい」 「ごめん」 「気にしなくていいよ。  僕はサーティン。  それ以上でもそれ以下でもないよ」 そういったサーティンの目がどこまでも澄んでいた。
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