Scene01 終焉の魔王

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かといってカナタは敵対する気はない。 カナタはこのまま雑魚でいよう。 雑魚のいじめられっ子の存在でいよう。 そう思った。 「貴方はカナタくん?」 少女が小さく首を傾げる。 「そうだけど……」 「あれ?あー、そっか。  私と焔は君とクラスが違うからわかんないよね」 「えっと……」 カナタはどうしたらいいかわからない。 魔王の時代も他者とのコミュニケーションをとることなどなかった。 孤独で最強の魔王。 それがカナタという存在。 「私はシエラ」 「俺は焔」 「……えっと僕はカナタ」 「うん、知ってる」 シエラと焔は笑って答えた。 「さ、カナタくんも一緒にお弁当を食べよう」 「え?でも僕は……  お弁当を持ってないし」 「大丈夫!調理実習でご飯を沢山作ったから!」 シエラはそういってお弁当をかばんから取り出す。 「でも、僕は……」 「ほらカナタくんも食べよ!」 シエラは小さく笑った。
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