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他者との食事なんてしたことがなかった。
魔王として生を受けて。
魔王として死んだ。
孤独な魔王。
最強の魔王。
そして終焉の魔王。
人からは恐怖され。
魔族からは畏怖される。
魔王として産まれたものの。
部下はいなかった。
ずっとひとりで自分の命を狙うものと戦い。
そして気がつけば最強になっていた。
「いただきます」
カナタは唐揚げをひとつ摘み口の中に入れる。
「どう?美味しい?」
「美味しい」
カナタはニッコリと笑う。
「よかった!」
「こっちの卵焼きも美味いぞ!」
焔はそう言って卵焼きをカナタの皿に置いた。
「美味しい、美味しい、美味しい」
カナタはそう言って涙を流した。
「泣くほどか?」
焔はそう言って優しく微笑んだ。
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