Scene01 終焉の魔王

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「誰だ?」 ジルがそのふたりを睨む。 「柊万桜よ!」 赤い髪の少女がそう言ってジルを睨む。 そして男が言葉を続ける。 「かみさまだ」 「神?」 ジルがかみさまと名乗る男を見て笑う。 「いや!かみさまだ!余のことは親しみを込めてかみさまと呼ぶことを許すぞ」 「呼ばねえよ。お前、大神だろ?噂程度に知ってるぞ!」 「うむ?そうか?  無理にとは言わない」 「どうでもいいさ!  俺がお前らまとめて倒してやんよ!」 ジルはそういって剣を振り上げる。 「脇が甘い!」 万桜がジルの腹部に刀の鞘を当てた。 「ぐ……」 ジルがうめき声をあげる。 ジャキが万桜に銃を向ける。 「ジルから離れろ!」 ジャキが銃を放つよりも先に万桜は足のバネを活かして銃を叩き落とす。 ジャキは大きく後退すると同時にナイフを投げる。 万桜はそのナイフを叩き落とすとそのままジャキに向けて剣圧を飛ばす。 ジャキはそれを避けるとワイヤーを伸ばし万桜の足元にある銃を拾う。 「安物はだめだな。  一撃で壊れてやがる」 ジャキはそういうと万桜を睨む。 「弁償はしないわよ?」 「別にいい。  銃がなくても戦える!」 ジャキは指先を万桜に向ける。 「ん?」 万桜は何かを感じそれを避ける。 すると万桜の後ろにあった木が粉々になった。 「避けたのか、すごいな。  さすが魔王と勇者のハーフってところか」 ジャキが嬉しそうに笑う。 「では、逃げるぞ」 かみさまがカナタたちにそういった。 「え?逃げるの?」 シエラが驚く。 「まぁ、あのジャキは手強い。  あとプレゲトンもどうでるのか気になる。  ここは圧倒的に劣勢だ」 「マジカよ」 焔も驚く。
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