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Scene01 終焉の魔王
終焉の魔王。
世界最強の魔力を持ち。
目立つこともなく。
害することもなく。
存在だけで恐れられる。
人からは恐怖され。
魔族からは畏怖される。
そんな不器用な生き様。
どうして生きているのか。
どうして死ねないのか。
自問自答し続けて1200年。
終わる時が来た。
「終焉の魔王!
お前は存在だけで悪だ!
だからお前を殺す!」
意味がわからない。
魔王はこんな風に何度も狙われた。
「お前らはなんなんだ?」
魔王の素朴な疑問だった。
「俺は勇者だ!」
勇者は光の剣を構える。
もう疲れたな。
そう思った魔王はそれを受け入れた。
そうして魔王は死んだ。
時は流れ……
そこから更に500年が過ぎた。
魔王と呼ばれた存在は人間に転生していた。
ずっと忘れていた。
最近ふとしたきっかけで思い出した。
少年の名前はカナタ。
今日も元気に虐められている。
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