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玄関を出て左側にある車庫から自転車を出して学校へむかう。自転車で進むと、ひんやりとした風のせいもあって肌寒さを感じた。
中にセーターを着てきてよかったと思いながら、自転車をこぐ。
教室には、先に鋼太郎が来ていた。寒くないのか、学ランもセーターも着ていない。熱心に渡した教本を読んでいるので、邪魔をしないように自分の席に座った。
休み時間。
停学処分を受けていた、見た目が怖い。そんなイメージがあって、誰も鋼太郎に話しかけようとする人はいない。
それはそれでちょうどいい。休み時間ごとに鋼太郎に声をかける。
俺が昨日渡したのと、今日持ってきたドラム教本を見ながら、ドラムについて話した。学校で浮いた二人が一緒に話しているなんて、珍しい組み合わせだと視線を集めたが、誰かが話に加わることはなかった。
放課後になれば、大輝も瑞樹もやって来る。そして残りの軽音楽部のメンバー集めについて話し合う。
「あと一人でしょー? ナントカってやつを知らない人、いなくね? 俺だけ知らなかったってヤバくない?」
「ナントカじゃなくてNoKな」
「そうそう、それそれ」
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