12人が本棚に入れています
本棚に追加
残念がってた瑞樹も、納得したようだ。シュンとしていた顔が、いつもの顔に戻っている。
「なーなー。何でキョウちゃんは、そのノック? にこだわってんの?」
そういえば大輝にも言ってなかった。何でNoKにこだわっているのか。
ほとんどNoKについて知らない二人なら、知ったところで騒がないだろう。同じバンドメンバーに秘密を作っていたら、後に何で言わなかったのかと問題になるかもしれない。
「黙っててくれるなら、言うけど……なんかお前は喋りそうだな」
「言っとくけど、俺、知りたがりのくせに、口は硬いよ?」
いつもヘラヘラしている大輝の顔が、スッと真面目な顔になった。それだけで雰囲気ががらりと変わる。ヘラヘラしたまま言われたら嘘だろうと思うが、真面目な顔で言われると、信憑性がある。
「ふーん。なら、その言葉を信じておくけど。……俺がNoKにこだわる理由は、NoKが俺だからだ」
「ん?」
「へ?」
頬杖をつきながらサラッと言う真実に、大輝と鋼太郎から驚きの声が出た。そして目を見開いたまま、動きが止まった。
最初のコメントを投稿しよう!